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能楽トリビアTrivia

Question154 観阿弥・世阿弥のライバルは?(2018年7月26日追加)

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能の大成者として知られる観阿弥かんあみ世阿弥ぜあみ。南北朝~室町時代に流行していたさまざまな芸能のエッセンスを取捨選択し、今日まで伝わる能の根幹を形作った親子です。そのふたりにライバルがいたことはご存じでしょうか。

当時、能は猿楽と呼ばれ、近畿一帯に「○○猿楽」というローカル芸能がいくつも根付いていました。観阿弥と世阿弥は「大和猿楽」の出身ですが、「近江猿楽」では犬王(道阿弥どうあみ)というスター的人物が人気を博していたことが分かっています。

犬王は天女舞を得意とする優美な芸風で、かの世阿弥も「犬王は花なり」と賞賛。観阿弥亡き後は、能の第一人者として時の将軍義満から寵をうけるほどでした。

観阿弥や世阿弥の流れをくむ観世流をはじめ、現存する5流はすべて大和猿楽の系統で、近江猿楽や摂津猿楽、伊勢猿楽などは途絶えてしまいましたが、大和猿楽の特徴は形態模写。そして現在多くの人が能に対して抱く幽玄、優美といった印象は、田楽だけでなく、むしろ近江猿楽の得意分野でもあったようです。

観阿弥や世阿弥は自らの芸を作り上げる過程で、犬王ら同時代のライバルの芸風を積極的に取り入れたのです。近江猿楽は消滅したものの、その精神は今も息づいているといえるでしょう。


イラスト:坂木浩子
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「能楽トリビア」は作成にあたってこちらの文献を参考にしています。


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