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能楽トリビアTrivia

Question122 フランスの小咄をもとにした狂言とは?(2013年6月21日追加)

イラスト

大蔵流狂言、茂山家で度々上演される「濯ぎ川(すすぎがわ)」は、フランスの小咄をもとにした昭和の新作狂言です。

裏の川で洗濯をしている聟は、妻と姑がガミガミと用事を言いつけに来るのに堪えかね、用事はすべて紙に書いてもらい、そのほかのことはしなくてよいという取り決めをします。と、その時、小袖が川に流れ、拾おうとした妻が溺れて助けを求められますが、「そんなことは書き付けにあったっけ?」とのんきに構える聟。結局、これからはガミガミ言わないと約束させ、妻を助けるのですが、結局はすぐ助けなかったことを妻になじられ、元の木阿弥……という、狂言の「恐妻もの」の典型とも言えます。

作者は劇作家の飯沢匡で、16世紀フランス小咄「ル・キュヴィエ(洗濯桶)」をもとに新劇用に書いたものを、茂山家で狂言用にアレンジし、上演するようになりました。初演は、1953(昭和28)年、演出は、戦後の古典芸能の再興に尽力した武智鉄二が当たっています。

小袖を川に落とすところは、「誤って落とす」解釈と「意図的に落とす」解釈とがあり、そのときの演出によって異なります。


イラスト:坂木浩子
今までのトリビア

「能楽トリビア」は作成にあたってこちらの文献を参考にしています。


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