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能楽トリビアTrivia

Question30 謡本がベストセラーになったのはいつ? (2008年5月30日追加)

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歴史上、能が権力をもった武家の庇護の元に定着する一方、大衆娯楽では歌舞伎や浄瑠璃の人気が高まり、能は庶民と無縁のものになっていった……。そう思われがちですが、実は、そうでもなかったようです。囃子方なしで謡を謡う「素謡」は、古くからの宴席での芸能で、室町後期にはすでに、武家や公家のほか、富裕な商人をはじめとする庶民階層にも広まっていきました。江戸時代に入ると、庶民が観能する機会こそ限られるようになったものの、謡はさらに一般的な人気を獲得し、全国に普及しました。

この江戸時代には、謡本も写本から印刷になり、600番に及ぶ曲数をカバーするほど謡本が出版されたそうです。まさにベストセラーと呼ぶに相応しいものでした。内容も、能の演技の手引きや謡のテクニック、うんちくを記述したもの、流派の違いを検証するものなど、一般庶民を含む幅広い層の人たちが、能への深い関心と謡への熱意をもっていたことが伝わってくるものです。そうした人びとが自主的に行う「謡講」は、現代にも受け継がれる庶民芸能です。能の伝承を底支えしたもののひとつに、謡本の普及がありました。


イラスト:坂木浩子
今までのトリビア

「能楽トリビア」は作成にあたってこちらの文献を参考にしています。


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