トップページへ
SITE MAP
FEATURE

能楽トリビアTrivia

Question77 どうして演者が動かない時間が長いの?(2010年1月22日追加)

イラスト

舞踊や立ち居振る舞いなど、伝統的な所作は、洗練された型やなめらかな動作を生み出すのに鍛錬のポイントがあると思われがちですが、「動かない」状態にも身につけるべき基本があります。能で立って演技する場合、その基本を「構え」といいます。動きを伴う「運び」同様に、全身を意識した演技です。重心を低く構え、腰も背も首も静止して立っているように見えますが、実は前に引っ張られる力、後ろに引き戻す力、ぐっと踏み込む力、からだをしっかり支える力といったいろいろな力を腰で相殺させた緊張状態にあります。止まっているように見えますが、行き場のない内なる力強さを、観客に伝えて存在感を示しているのです。

この内なる力があればこそ、そこからつながる静かな動きも、激しい舞いも、見た目の強弱にかかわらず印象的な動きをもたらします。それゆえに構えを見れば演者の力量が分かるとも言われます。「動かない」と思って見ると長くつらい気分になりますが、まさに今、全身で激しい緊張状態を持続させていると知って見れば、見る側の集中力も増すのではないでしょうか。


イラスト:坂木浩子
今までのトリビア

「能楽トリビア」は作成にあたってこちらの文献を参考にしています。


免責事項お問い合わせリンク許可運営会社
Copyright© 2019 CaliberCast, Ltd All right reserved.