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能楽トリビアTrivia

Question144 どうして扇を膝の前に置くの?(2016年11月18日追加)

イラスト

扇は、能役者が最も大切にしている道具のひとつ。シテやツレはもちろん、ワキ、間狂言、囃子方の三役、地謡方や後見も含め、すべての役者が扇を携えて舞台に上がります。

地謡方の動きに注目してください。切戸口から入場した地謡方は、まず順々に決まった位置(地謡座)に座り、扇を体の右に置きます。次に一斉に扇を膝の前まで滑らせ、その状態で待機します。地謡のパートになった段階で扇を手に取り、全員で謡い始めます。

なぜ扇を膝の前に置いて待つのでしょう。それは、シテ・ワキと地謡方との間に境界線を引き、結界を結ぶためだと考えられています。能舞台をふたつの空間に区別する場合(Trivia141参照)、その境界を区切るのが扇という訳です。

扇に特別な役割を付すのは能だけではありません。日本舞踊や茶道の稽古では、正座して扇(扇子)を前に置いて一礼することがよくあります。これもまた、扇で師と弟子の間に一線を引くことにより、一段低い場所にいるという謙遜の意を表すための所作と考えられています。


イラスト:坂木浩子
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「能楽トリビア」は作成にあたってこちらの文献を参考にしています。


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