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従者は、妻の気持ちを引き立てようと、里人に面白いことはないかと尋ね、当地の浜の市に芦を売りに来る、芦刈の男が面白いという話を聞き出します。浜の市で妻や従者が待っていると、芦刈の男が現れました。芦刈の男は、落魄した身の上を嘆きながらも、芦を刈る風雅さを語ります。その後、芦刈の男は、従者と語り、葦と芦の異名などを紹介した後、有名な和歌を織り込んだ面白い謡を謡いながら、舞を見せます。 妻は従者に、芦刈の男に芦を一本持ってきてもらうよう頼みます。芦売りの男は、妻のもとへ芦を持っていきますが、彼女を見て小屋に隠れてしまいます。実は、芦刈の男は左衛門その人であり、自分の妻だと気づいて、恥ずかしさのあまりに、隠れたのでした。妻は、「今は生活も安定したので迎えに来たのです、姿を見せて」と説得します。そして夫婦はお互いの心情を歌に託して交し合います。左衛門は「今は包み隠すことはない」と小屋を出ます。従者は夫婦再会を祝し、一緒に都へ行くように左衛門に勧めます。左衛門は烏帽子直垂をまとい、和歌の徳を讃えて、喜びの舞を舞い、夫婦は連れ立って春の都へと向かうのでした。
和歌の美しい言葉を引きながら流麗な謡にし、その詩的なリズムの中にさまざまな舞や所作を配したつくりは、この曲に飽きのこない面白さをもたらしています。シテの芦売りの男が植物の「葦(よし)」と「芦(あし)」を「良し悪し」にかけて風流に語る謡、シテが和歌を交えて難波の春の美景を讃えつつノリのよい謡と舞を披露する「笠之段」、シテが左衛門と判明し、夫婦が再会の折の気持ちを歌を交わして表す場面、左衛門が烏帽子直垂の姿となって喜びの様子を示す男舞、そして夫婦一緒に都へ帰るキリの部分まで、折々の心情、景色に色合いの変化を含ませながら、劇的な場面が綿々と続いていく様は、見ごたえ、聴きごたえがあります。 ▼ 演目STORY PAPER:芦刈演目ストーリーの現代語訳、あらすじ、みどころなどをPDFで公開しています。能の公演にお出かけの際は、ぜひプリントアウトしてご活用ください。
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