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なんとしてもこの関所を通るため、弁慶は東大寺再建の寄付を募る山伏の一行だと偽ります。不審に思った富樫が、「東大寺の勧進聖(かんじんひじり)なら、勧進帳をもっているはず」と迫ると、弁慶は、間に合わせの巻物を、あたかも本物の勧進帳のように朗々と読み上げました。その気迫に、富樫は、一端は通行を許しますが、強力(ごうりき)に変装した義経を見咎めます。弁慶は、とっさの機転で、「お前のために疑われた」と義経を責め、金剛杖で打ち据えます。その迫力に押された富樫は、通行を許します。 やっとのことで関を通った一行の前に、富樫が追ってきて、非礼を詫び、酒宴となります。弁慶は、富樫の罠か、と疑いながら、座興に延年の舞を舞い、心を許さずに暇を告げ、一向は陸奥へ落ち延びていくのでした。
この曲の最大の見せ場は、関所での富樫と弁慶との対決です。弁慶の勧進帳の朗読から義経殴打、山伏一同と富樫主従とのにらみ合いと、息もつかせぬ展開です。さらに、三読物の一つとされる勧進帳は、それ自体が謡の秘伝で、鼓との絶妙なせめぎ合いが面白く、聴かせ所でもあります。そして関所を無事に通過した後、義経が悲劇を語る場面もまた聴かせどころですが、そこへ、富樫が訪れ、最後には弁慶の機転と舞によって、ようやく窮地を脱することができるのです。終曲まで気の抜けない展開を、能の音楽的な面や舞踊的な面白さをも十分味わいながら、楽しめる作品です。歌舞伎十八番「勧進帳」のもとにもなっています。 ▼ 演目STORY PAPER:安宅演目ストーリーの現代語訳、あらすじ、みどころなどをPDFで公開しています。能の公演にお出かけの際は、ぜひプリントアウトしてご活用ください。
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