美濃国野上宿の女主人は、遊女の花子(はなご)が旅人の吉田少将に恋をして、仕事をしないと非難する。 善竹十郎
花子は、少将と取り替えた形見の扇を手に、虚ろな気色。ついに宿を追い出され、涙に濡れて放浪の旅へ。 豊嶋三千春
恋に狂う女となった花子は、都の下賀茂神社に至る。恋心を包み隠さず、ただただ逢いたいと神々に祈る。 坂真太郎
奇しくもそこには、都に戻った少将が参詣に訪れていた。花子はそれを、まだ知らない。 武田太加志
中国の皇帝の愛を失った「班女」とあだ名された花子は、扇を手に、逢えない辛さに身を震わせる。 狩野琇鵬
秋に捨てられる扇と同じ私。嵐は訪ねて来るが、あの人からの便りはない。班女は独り寂しく夜を過ごす。 高橋汎
描かれた月を隠し、懐にした扇を見つめて。「秋には必ず来る」あの人の言葉を信じていたのに。 武田太加志
形見の扇より、表と裏があるのは人の心。逢えないほどに、恋心はつのるばかり。 狩野琇鵬
少将は班女の扇に気を取られていた。あの扇を見たい。私の扇を見せたい。 坂真次郎
ふたりは再び扇を取り交わす。夕闇のなか、それぞれ想う人の扇が浮かぶ。明るい喜びが満ちてくる。 駒瀬直也、他
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写真:森田拾史郎
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